星をみるひと

くろやん「おばあちゃんが言っていた、上を向いて星を眺める時は、星を指で追いかけろってな」

くろやん「だが断る」

なでしこ「自分の恥ずかしいネタに自分でメス入れてどうすんのよ・・・」

くろやん「君は、非常にハードルの高いファミ通のやりこみゲーム大賞という企画を知っておろうな」

なでしこ「それ結構新しいよね、雑誌でみたような」

くろやん「この星をみる人はクリアしただけで評価されるという様だ・・・噂か知らぬが」

なでしこ「ありえん（笑）」

くろやん「知るか・・・俺ですら恐怖しとるわ・・・こんな化け物・・・！」











なでしこ「パソゲーの続編らしいわね」

くろやん「ああ、ソコが関係してるのか知らんが難易度が死ぬほど高い」

なでしこ「とりあえず一言であらわしてみて」

くろやん「このゲームに何か物言いするとなんかヤバそうだが、俺が一言言うなら
どうあがいても絶望　かな」

なでしこ「それは別のホラーゲームよ・・・」

くろやん「まぁこのゲームも存在自体がホラーだからええよ、うん」

なでしこ「まぁスタートボタン押した瞬間フィールドマップから始まり、名前も入れられないRPGって結構斬新」

くろやん「斬新じゃないだろ、まずはヒントよこせよ」

なでしこ「目視で町を探しても見つからないもんね、町はサイキックで見えなくしてあるっていう怪奇な設定で
ドラクエにもあったけど、印象が月とすっぽん並に違うわね」

くろやん「しかも敵に遭遇したらとりあえず死を覚悟しなければならない要素が三つほどある
１、最初から敵が最強
２、逃げる等の項目がない
３、初期の主人公みなみは素手だとダメージをまともに与えられない」

なでしこ「町をみつけられないと本格的に詰みゲーね・・・」

くろやん「町だって突然画面変わるだからかなり焦る、ホラーだね」

なでしこ「ふっかつしゃってきいただけでもう心臓止まっちゃうもんね、道中も」

くろやん「一応近未来or排他的な世界が魅力的で、その手のファンも多いんだが・・・そういう設定がますますこのゲームの・・・なんだっけ、斬新さ？そういうもんを加速させてる」

なでしこ「斬新って言葉気に入った・・・？」

くろやん「うん、斬新で合ってる」

なでしこ「じゃあ　どうあがいても絶望　について解説してくださいな」

くろやん「それに関しては複数ある」

なでしこ「なるほど、絶望と絶望が重なり合ってハーモニーを生み出すと・・・」

くろやん「簡単に説明すると、最初の段階でふっかつしゃなどに出会い、とあるアイテムを投げつけられる」

なでしこ「なに、聖水？」

くろやん「聖水だったらおしっこでもなんでもよかったんだが・・・飛んでくるのは”かりう”という素敵アイテムだ、これを食らうと身動きが取れなくなる
その戦いの間一生」

なでしこ「！？」

くろやん「つまり一人の状態でかりうを食らうと間違いなく死ぬ、この上ない絶望感を味わうか、リセットボタンを押して新しい人生を始めるかの選択肢をプレイヤーに与えてくれる」

なでしこ「一生動けなくなるのか・・・かりうって何よ・・・謎・・・」

くろやん「まぁこれだけでも絶望かもしれないが、まだある」

くろやん「このゲームは鍵よりもIdカードというアイテムが重視されてる、これが無いと進むことが出来ないのだが
現時点で最強の装備と同じ値段、またはそれの倍の価格で売られてます、ﾔｯﾎﾎｰｲ」

なでしこ「そんな必須なアイテムをためらいも無く高額にするスタッフが怖いわ・・・」

くろやん「さらにこのIDカードは片道切符だ、一個買って中に入ったはいいが出られねぇ！なんて笑えないオチもあるぞ、まさにどうあがいても絶望」

なでしこ「普通そういうのって複数回使えるとか、一度開けたら大丈夫とかそういう・・・」

くろやん「何しろサイキックな世界ですから、そういう都合のいいようなノリはありませんよええ・・・」

なでしこ「このゲームに絶望っていくつあるのよ・・・」

くろやん「まぁボンベとか仲間とか色々絶望したいことはいくらでもあるが、まぁキリが無いので割愛しよう」

なでしこ「でも世界観はいいのよね、コレ」

くろやん「まぁラストの選択肢があったり良い意味での斬新さもあるんだけど、その最後が全部バッドエンディングだったりするので本格的にどうしようもない、絶望した・・・！」※ネタバレあります

なでしこ「マルチバッドエンディングの走りね」

くろやん「まぁそんな絶望と隣り合わせの崩壊したゲームバランスのこのゲームだが、絶望できるRPGをやりたいなら俺が胸を張ってオススメする
まぁ絶望したいなんて願望もってるような友人には話しかける前に縁を切りますが」

なでしこ「当時クリアした人いたのかしら・・・こんなの」

くろやん「まぁ最近になってエンディングが普通に見れたファミコンのゲームだってあるから当時のゲームの難易度なんてプレイヤーからすればそこまで大きな問題では無かっただろう、このゲームに始まるいくつかの例外を除いて」